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Interview 映画『宇宙(そら)へ。』公開記念 立命館大学 川合教授に聞く

2003年より立命館大学理工学部教授。04年より現職。研究分野は情報通信工学で、ワイヤレスネットワーク技術や衛星通信など。

人間と工学が一体となり完成度を高める姿に感動

この映画「宇宙へ。」を見て、月面着陸やスペースシャトルの宇宙からの帰還などNASAの秘蔵映像の迫力に圧倒され、宇宙開発の実現に向けて人間と工学が一体となり、システムとして融合しながら完成度を高めていくプロセスに強く感動しました。また、開発の過程では成功だけでなく多くの失敗があり、その積み重ねが次の開発にポジティブにフィードバックされて進歩してきたということがよく描かれていたと思います。

私は、30年以上衛星通信という分野を通じて宇宙にかかわる研究開発に携わってきました。学生時代の1972年の夏休みには、鹿児島県の内之浦で衛星追尾の仕事に携わり、84年には宇宙開発事業団(現・宇宙航空研究開発機構)の「宇宙基地における通信システムの研究」に関する客員開発部員になったこと、開発に従事していたN-STAR※1の打ち上げが95年、96年に成功したことなどが映画を見ていて思い出されました。

衛星通信で広がる宇宙とのコミュニケーション

私の専門分野である衛星通信は、広いエリアへの情報配信や収集に適しています。BS、CSは情報配信、資源探査衛星や気象衛星は情報収集の特徴を生かした衛星です。また、衛星間中継を利用すると地上、海上、航空、宇宙のあらゆる地点間を衛星通信のみで結ぶことができます。最近では若田光一さんの宇宙での様子がテレビ中継され、宇宙がまた近く感じられました。

国際宇宙ステーションは、地上約400kmの軌道を周回しているので、直接地球と交信するためには多くの地球局を地上に設置する必要があります。このため、赤道上約36,000kmの静止軌道上にデータ中継衛星を打ち上げ、この衛星が地上との交信を取り次ぎます。これも宇宙開発における衛星通信の活用のひとつです。

今後、衛星通信の情報中継機能はますます発展すると思います。人類の宇宙での活動の場が広がるにしたがって、〈宇宙への窓〉として衛星通信はより一層宇宙とのコミュニケーションに活用されるものと思います。

立命館大学が宇宙への扉を開く

学生とのコミュニケーションをとりながらの研究は大学でのやりがいのひとつです。私の研究室では、毎年海外から2人程度の留学生を受け入れています。留学生は積極的で国際会議で発表してもらう機会も多いのですが、2007年には韓国で開催された衛星通信関係のAIAA ICSSC※2という国際会議で、私の研究室の学生がBest Student Paper Awardを受賞しました。

宇宙、エネルギー、環境などフロンティア開拓のためのベースとなるのが理工系の学問です。宇宙というとすぐにロケットを連想しますが、地上との連絡や衛星で得たデータには通信が欠かせません。理工系の学問をおこなうことは、単に数式を扱うということではなく、フロンティア・スピリットをもって、世の中の役に立つ新しいものを生み出していこうという哲学を持つことだと思います。そして、一番大切なのは目標を持つこと。目標ができるとおのずとやるべきことが明確になり、一生懸命に取り組むことができると思います。そうしたフロンティア・スピリットをもった多くの学生に大学の門をたたいていただきたいと思います。

※1)
N-STAR:NTTによって打ち上げられた通信衛星。日本全土と近海をカバーし、 広帯域通信、移動体通信、離島通信などの用途で10年以上にわたって利用された
※2)
AIAA ICSSC:米国航空宇宙学会通信衛星システム国際会議
Introduction

『アース』で地球の奇跡を描いた、ドキュメンタリー映画の最高峰BBCワールドワイドが、膨大な記録映像に命を吹き込んだ『宇宙へ。』。NASAの設立当初からの記録は、これまで誰の目にも触れることはなかった。その映像には、打ち上げに失敗したロケットの姿、船内火災、飛行士たちの死など、壮大な仕事に携わる人々の苦悩と挑戦する姿が映し出されている。人類史上、500人にも満たないごくわずかな宇宙飛行士たちと彼らを支える人々の感動と興奮が、スクリーンから伝わる。

Story

無限のフロンティア〈宇宙〉。1957年ソ連が宇宙ロケットの打ち上げに成功すると、アメリカは翌年NASAを設立、東西冷戦の真っ只中、争いの舞台は宇宙へ向けられた。61年ソ連の人類初有人宇宙飛行を手始めに宇宙への挑戦は一気に加速。第35代米国大統領ケネディの「アポロ計画」は、69年月面着陸を成功させた。その後、ロケットの時代は終わりを告げ、再利用可能で宇宙での実験にも適した「スペースシャトル」が活躍。しかし、その栄光の陰には数々の犠牲があった。


※本特集記事は、2009年夏公開の映画『宇宙へ。』とタイアップした広告です。
 映画『宇宙へ。』の公開はすでに終了しております。


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